強気な人にはワケがある
昔もいまも、人間の悩みの9割は人間関係。こう言った占い師がいるが、これ、診察室にいても真実だと思うのだ。
とくに最近は、「マウンティング」とかいって人間関係で自分がまず優位に立とう、とする人も増えている。会社で地域で、突然、相手に強く出られて困っている、という人も多いのではないだろうか。
そんな強気な相手に対するには、ちょっとした作戦が必要だ。
まずは、なぜ相手がそんな態度に出ようとしているのか、その心の内を想像してみること。実は、強気に出てくる人は、心の中では「このままじゃ私のほうが負けてしまう」と思っているからこそ、イバったりエラそうだったりすることがほとんどなのだ。
つまり、相手はあなたをうらやましいと感じ、コンプレックスを持っているんだ、と考えてみるのだ。
そして、「いったい何がうらやましいのかな」と今度は自分の中の“よいところ”に目を向ける。若さやスタイルという事実や外見、ファッションのセンス、やさしさとか思いやりといった性格、笑顔とかペットかもしれないし、家族や仕事のスキルという可能性もおおいにある。そうやって振り返ると、きっといろいろな自分の長所が見つかるだろう。また、もしかすると自分では短所だと思っているものを、相手は「私にはこれがない、うらやましい!」と思っていることだってあるのだ。
そうやって相手と自分のことを冷静に分析して、「そうか、この人、私に劣等感を持っているからムリして強気な態度に出ちゃって」と観察していくと、だんだん相手の弱点も見つかるはず。いつもブイブイ言わせている相手の弱い姿が見えてくると、こちらの気持ちにも余裕が出てくる。
そして次に、相手に「ちょっと!またこんなミスしてる!」といきなり怒鳴られても、「あ、すぐになおしまーす」とゆとりの笑顔で返せるはず。すると、だんだん相手も強気の態度を引っ込めるだろう。だいじょうぶ、あなたにいくら強気で迫られたって、私は元気でやってるのよ。そう見せるのが、いちばんです。