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スコブル

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:::: オススメ情報 ::::

スコブルvol.44より

アルティメット選手 三井由貴子さん
ヒンメリ作家 山本睦子さん

スコブル世代の女性たちは、これまでさまざまな岐路に立ち、迷い悩みながらも豊かな時間を生きる世代。
今号では、それぞれのステージで一途に打ち込み、輝き続ける2人の女性に、歩んできた道のりや、磨かれてきたことについてお話しいただきました。
“実りある”ことを探し求めているあなたへ。
ヒントを見つけてみませんか?

アルティメット選手
三井由貴子(みつい ゆきこ)さん
北海道フライングディスク協会副会長。アルティメットのマスター競技者として活躍しながら、大会運営や子どもたちの指導にもあたっている。また、日本フライングディスク協会ダイバーシティ委員会のメンバーとして、女性選手や地方格差の問題についても検討を重ねている。北海道コカ・コーラボトリング株式会社事業開発部に所属する会社員でもある
ヒンメリ作家
山本睦子(やまもと むつこ)さん
ヒンメリ作家、グラフィックデザイナー。フィンランドに滞在し、北欧デザインや暮らしを体験。平成21年からヒンメリを手掛け、ワークショップや空間装飾などの作品を制作する。著作「北欧フィンランドの伝統装飾モビール ヒンメリをつくる」(誠文堂新光社)。北海道フィンランド協会常任理事。札幌在住。
※作品のオーダーは応相談
https://www.himmelin-aika.com/

人との縁や出会いがアルティメットで得た実り

 人の心を一瞬でとらえてしまう笑顔というものは確かに存在する。オープンで飾らない人柄がにじみ出ているような、三井由貴子さんの弾けるような笑顔がまさにそれだ。
 三井さんはアルティメットの競技者であり、北海道フライングディスク協会の副会長。国内外を問わず大会出場経験も豊富で、2017年にはマスターミックス部門日本代表のメンバーとして世界大会に出場している。
 アルティメットは、フライングディスクを使うチームスポーツ。最大の特徴は審判員がいないこと。競技者間で話し合い判断して試合を進めるセルフジャッジ制をとっている。だからこそ、「勝つことも大事ですが、一番大切にされているのはスポーツマンシップの精神なんです」と三井さん。コミュニケーション力やルールの理解力などを総合的に評価する「スピリット・オブ・ザ・ゲーム(SOTG)」賞もあり、受賞は勝利するより名誉なこととされている。「人間性が鍛えられます(笑)。私の人生や価値観の大半をアルティメットが占めていますね」。
 出合いは、ニュージーランド留学中の大学2年のとき。仲の良い友人がやっていたのがきっかけで始めたそう。帰国して就職後も細々と続けていたが、32歳のときに友人から「一緒に世界大会を目指そう」とチームに誘われたのが大きな転機に。初めて世界大会に出場して挫折を味わったものの、「ある意味スタートでした。伸びしろしかない」。前向きにとらえて三井さんの躍進が始まる。
 日本人はSOTGの評価が低いと言われたことに奮起し、SOTG賞を目標にチームを編成。日本代表として出場した17年の世界大会で見事に受賞する。18・19年にも自身で創設したクラブチームで受賞を果たした。「文化や言葉、宗教や考え方、全て違って当たり前。否定するのではなく違いを楽しもうとチームメイトに言い続けました。チームの人間力が世界に認められた受賞は心の糧ですね」。
 個人でエントリーした競技者を主催者がチーム分けする国際大会にも積極的に参加。「海外の友だちがどんどん増えて、楽しくて仕方なくて。2カ月に1度は海外へ行くほど、ひたすら打ち込んでいました」。そんな充実した日々をコロナ禍が襲う。19年12月の出場を最後に、国際大会は、のきなみ中止に。失意のなか、アスリートとして世界を目指しながら年齢を重ねることは、体にも心にも負担になった。「正直、いろいろ考えました。でも、アルティメットを通して培った人との縁や出会いは、私にとって一番の実り。今は、マスターズの世界大会にもう一度出ることが目標です」。いろんな人とつながって楽しめるアルティメットがやっぱり好き、そう言い切る笑顔にもう迷いはない。


芝やビーチなど屋外でのプレーがアルティメットの主流。「上空には地上と違う風が吹いていて、それに乗ってディスクの動きも変わります。風を読みながらプレーするのが楽しい」と笑う。「お天道さまに当たるのは最高」だそう


コロナ禍に始めたガーデニングが心の癒しに。日本庭園だった実家の庭に小道を造り、ナチュラルガーデン目指して改革中とのこと。「師匠と慕うご近所さんに、教えてもらっています(笑)」


屋外競技のアスリートとして「年齢を重ね、肌と髪には特に気を遣います」。祖母から3代続いてポーラ化粧品を愛用。髪はウエラ・リュクスシリーズを。「どちらも高いラインですが価値あり」なのだそう


サッカースパイクを使用。激しく動くため爪先によく穴が空くそう。175gの公式フライングディスクは、想像以上の硬さ

ヒンメリが広げてくれた可能性がライフワークへと実を結ぶ

 自ら育てたライ麦で、フィンランドの伝統工芸ヒンメリを制作する山本睦子さん。札幌にあるアトリエを訪ねると、いくつもの繊細な作品がゆらめき、その美しさに一瞬で心を奪われた。ヒンメリは中央ヨーロッパの収穫祭を祝うテーブル飾りが起源とされる。現代では主にクリスマス装飾に用いられるが、山本さんの作品は空間を彩るアートとして輝きを放つ。
 グラフィックデザイナーでもある山本さんはフィンランドのテキスタイルブランド「マリメッコ」のデザインに魅了され、色彩豊かなデザインが生まれる理由を知りたいと単身フィンランドへ。「ヘルシンキを散策中、ショップのウインドーでゆらめく工芸品に目を奪われました。それがヒンメリとの出合いです。モダンな造形や、陽光を浴びて輝く様子は本当にきれいでした」と目を細める。
 帰国してからも忘れられず、語学の講師でもある札幌在住のフィンランド人・川上セイヤさんに基礎的な作り方を学びながら、独学で習得。文化や風習も知るうちにどんどんのめりこんでいったそう。
 原料となるライ麦は国内では手に入りづらく、最初は知人に栽培を依頼していた。初めて収穫されたライ麦を手にしたとき「作品を作りたい」という衝動にかられ、制作に没頭。2か月後には作品展を開いた。「その時に、麦づくりから手掛けなければ、本当の意味で完成しないと気づかされたんです」。それから手探りで栽培を始めたものの失敗続き。農業試験場や酪農学園大学の専門家にも協力を仰ぎながら十数年続け、「ようやく理想に近いライ麦が作れるようになった」と喜ぶ。
 今夏も、江別にある畑で無事に収穫を終えた。「どのタイミングで収穫するか、毎日雨雲レーダーとにらめっこ。ヒンメリを手掛ける前は、畑仕事も雨雲レーダーに詳しくなることも考えられなかったです(笑)」。コロナ禍で対面のワークショップができない時期も、畑で過ごすことで安らぎを得られたという。「雪の下でぺちゃんこになった麦が、春になると天に向かってすくすく伸びる。その姿に励まされ、良いほうに目を向けようと前向きになれたんです」。
 対面のワークショップも再開され、ヒンメリをきっかけにフィンランドが先進国でもあるSDGsの取り組みへと仕事の幅を広げる山本さん。「ヒンメリに出合って可能性が広がり、エンドユーザーの反応がダイレクトに伝わる仕事をしたいという願いもかないました。たくさんの素晴らしい人との出会いや、ライフワークが見つかったというのが大きな実りです」。


一本の糸で3つの大きな輪をつなげた作品(右)は、バランスを保つように設計されたオリジナルデザイン。ヒンメリはわずかな風力でもゆらゆらと動き、豊かに表情を変えるので見飽きることがない


コーヒー好きが多いフィンランドで暮らした経験から、お茶の時間をゆったり楽しむことも大切にしているそう。フィンランドの「iittala」など、その日の気分でカップを選び、カラフルなナプキンを添えるだけで豊かになる


北欧スタイルを取り入れ、キャンドルとアロマで”心地よい時間をつくる“のが山本さんのリラックス法。「マッチ型のお香『hibi』は1本10分程だから気分転換にぴったり。プロダクトとしてもすてきで、お気に入りです」


カットした茎で立体のパーツを作り、組み合わせて複雑な造形を生み出す。映し出される影も美しい


無農薬で栽培したライ麦。小麦より茎が細いのに丈夫で、作品作りに適している