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スコブルvol.42より

波乱万丈。病気を乗り越え、
今は“もらった時間”を大切に。

山ノ内 順子(やまのうち じゅんこ)
1949年、夕張市生まれ。商社勤務などを経て、30代で株式会社を興し多彩な事業を展開。シングルマザーとして2人の娘を育て上げた後、50代で現在の夫と再婚。夫の勤務地だった東京で「前結び」と出合い、楽しさに感銘を受けて講師の道へ。その後、夫の転勤に伴い、道内各地で着付け教室を立ち上げる。現在の主な拠点は、札幌・岩見沢・寿都・旭川・北見・根室・浦河・東京・成田・岐阜。指導した人数は、のべ2,000人以上にのぼる。2021年に豊平区に「きもの着方教室」をオープン。きもの文化の魅力を発信し続けている。

これまで支えて応援してもらった分を還元しています


前で結ぶから、複雑なデザインの帯結びも自由自在。「着付けの基本を覚えたら、自由にアレンジしてきものを楽しんでほしいですね」

 帯を体の前で結んでから後ろへクルリと回せば、美しいきもの姿の出来上がり。「これなら若い人も簡単にできるし、年齢を重ねた人も腕がつらくない。凝ったデザインの帯結びも楽しめるでしょ。すごい方法よね」。
 説明しながらあでやかな笑顔を見せる山ノ内順子さんは、「前結び」による着付け教室の教授。札幌をはじめ、寿都や旭川、根室など、道内各地に拠点を設けて指導にあたっている。自身の教室以外にも、キャリアアップセミナーや高校、大学、JICAなど、さまざまな場所で講師を勤め、肩書の数は名刺に収まらないほど。とにかく驚くほどアクティブなのだ。「ほとんどがボランティアなんですよ。今は“もらった時間”。今まで周囲に支えてもらった分を還元させてもらっています」。
 きっかけは、12年ほど前に患った乳がんだった。手術で左の乳房を全摘出。抗がん剤の副作用で髪や眉毛、まつ毛も抜けた。「それまで着付け講師をするだけで満足していました。でも病気になって、落ち込む女性はたくさんいるだろうと思ったの。胸がなくても髪がなくても大丈夫、きものできれいになれると伝えたくて」、『病気だって負けない』というイベントを企画。自身の経験を通して左右の胸の高さが違っても、きものの襟元が美しく決まる補正下着を作り、きものショーを地下歩行空間で開催した。「行動することは大切ね。みなさんにとても喜んでもらえました」。補正下着のオーダーは今も受け付けている。
 その後、子宮がんも経験したが、「人生はアクシデントの連続。そこからプラスの何かが生まれるのよ」とほがらかに笑う。20代で結婚し、30代で会社を起業、40代で離婚して2人の娘を無我夢中で育てた。50代で現在の夫と再婚。移り住んだ東京で前結びと出合った。「きものは日本の財産。和の文化と着付けの技術を若い世代につなげたいですね」。魅力を発信できる人材を育てて応援したい、とこれからの目標を穏やかな表情で語ってくれた。