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スコブルvol.43より

経営者を取り巻くあらゆる問題に全体最適の解を。
「経営者のための戦略的協働チーム」で北海道に活力を。

日本は縦割り社会と言われている。それぞれの分野で最適を求めるため、必ずしも全体最適の結果とはならないことが多い。そうした社会の構図に対して、村松法律事務所では経営の全体最適を追求するための協働チームを発足させた。チームの一員である4人の専門家に話を伺った。

村松弘康弁護士
北海道足寄郡陸別町生まれ。早稲田大学法学部・北海道大学法学部(院)卒業。北海道クロム訴訟、北海道金属じん肺訴訟(弁護団事務局長)、スパイクタイヤ使用禁止公害調停などを担当。村松法律事務所所長弁護士
富田純司弁護士
京都府生まれ。東京大学法学部卒業。東京理科大学研究院技術経営戦略部門客員教授。企業法務を中心に数多くの会社の顧問弁護士、上場会社の社外監査役を務める
斎藤毅文公認会計士
埼玉県生まれ。早稲田大学政治経営学部卒業。大手監査法人パートナーとして、事業承継・M&A・株式上場・組織再編などのコンサルティング及び会計監査を多数経験。株式会社セットザディレクション代表取締役
中村栄作氏
北海道北見市生まれ、一橋大学経済学部卒業。長らく銀行にて取引先の金融・財務・経営の相談に従事。前北海道二十一世紀総研代表取締役会長

――今回結成した協働チームはどういうものですか?

村松 私は、スパイクタイヤ使用禁止の公害調停を経験する中で、個人・組織・団体・企業・行政機関などが戦略的に協働することによって、最高・最速・最善の成果を出せることを学びました。 今回立ち上げたのは経営者を対象とする専門家による「経営者のための戦略的協働チーム」です。

――チームを立ち上げたきっかけを教えてください。

村松 例えば企業の経営者から裁判を起こしたいと頼まれた場合でも、それだけでは解決できないとこともありますし、そもそも裁判を起こすことが問題解決の方法として真に正しい選択なのかという問題も残ります。たとえば、法律上の請求の背景にある事情をも含めて、企業のあり方・解決方法を総合的に考えないと企業の存在自体が問われることにもなりかねないこともあるのです。  不幸にも高血圧症や糖尿病に罹ったとき、担当医師から副作用はあるが有効な薬を薦められた場合、みなさん迷うでしょう。なるほどそれは病気を押さえ込むという目的にとっては最適ではあるが、身体全体の健康にとって「全体最適」ではないかもしれないからです。  経営にとっての「全体最適」を実現するために、私たち弁護士に加えて、会計・財務・M&A・事業承継・財産承継・信託などの分野に豊富な経験をもつ公認会計士、大学教授、金融の経営者に加え、元副知事などの行政の経験者、医学部の名誉教授などの専門家で構成された「経営者のための戦略的協働チーム」を今回立ち上げることにしたのです。

――チームに参加している富田先生(第一東京弁護士会所属・企業法務)は、今回の取り組みをどう思っていますか?

富田 一般的に弁護士は、裁判に勝つのが仕事だという印象があると思いますが、私は企業法務に携わり企業のコンプライアンス遵守、法的対応などを長年担当してきた中で、いかに不祥事を起こさない体制にすることが重要と考えてきました。不祥事を起こさない体制をつくるためには、法律の専門家の知見だけでは、不十分です。専門家はどうしても自分の専門分野を強調しやすく全体のバランスを欠いた結論になりやすいからです。経営者が最大のパフォーマンスを発揮するためには、複数の多様な分野の専門家の協力・協働の力によって全体最適解に至ることが必要です。

――斎藤先生は公認会計士として参加されていますが、今回の取り組みをどう評価していますか?

斎藤 私も長年公認会計士として企業の経営者と接してきましたが、ひとつの士業だけでは経営者の多様な課題には応えられないという思いをしていました。なぜなら経営者の課題には財務だけではなく、資産や相続、組織改善、業務効率化、事業承継、さらには私生活などあらゆることが関連しているからです。そうした中で、公認会計士として答えを出せたとしても、あらゆる関連する事項の下で対応しないと、経営者の真の課題にはピタッと一致しないのではないか、という考えに至っています。  今回の「戦略的協働チーム」は経営者の方と企業の課題に取り組むだけではなく、問題を起こさないための課題も一緒に考えて解決していくことも目指しています。

村松 今までの法律事務所は法律の問題、会計事務所は会計の問題といったように別々に対応していましたが、問題解決に必要な多様な分野の力を結集できれば、多様性の力によって必ずベストな解決策を提案することができる。これが発想の原点です。  誰もやらなかった新しい問題解決の仕掛けを作ることが、我々の使命だと思って、取り組んでいます。

――キーワードとなっている“戦略的協働”について詳しくお話しください。

富田 具体的なお話をすると、例えば、どう企業を成長させていくのか、という悩みを持たれている経営者がいるとします。このときに、どういうスタイルで拡大していくのかは、それぞれの視点で異なります。法的な視点で言えば、会社の形態や契約の中で知的財産を守りながら進めていく方法があるでしょうし、財務的な視点からで言えば資金調達をして効果的に事業に投資していくという方法があります。また、事業承継やM&Aで、事業を拡大する方法も考えられます。これらのうちからどの方法を選ぶかについて、これまでのように一人の専門家だけで結論を出そうとすると、専門家の経験知にかたよった結論になりがちです。  複数の専門家が異なった視点で討議し、その企業の成長戦略を検討することの方が最もふさわしい最適解を見つけられるのではないか、ということなのです。これが“戦略的協働”の最も大きなメリットです。

中村 「経営」は本来、企業全体を司るものです。しかし「組織」が大きくなると分業と部門最適化が進みます。平時は良いが、非常時には組織はバラバラ。対して、多様な切り口と提言で経営の全体最適を取り戻す。それがこのチームの目的です。

――最後に読者に向けてメッセージをお願いします。

村松 部分最適は必ずしも全体最適を意味しないことがあることをふまえて、経営に取り組んでほしいということです。多くの企業は部分最適の塊のようなもので全体最適まで届かないのが実情だと思います。部分最適が完成されているので、課題は解決されており、それで問題はないという思い込みになりがちです。  しかし北海道では豊かな人間性や個性に恵まれた経営者が沢山おられます。まだまだ柔軟な頭で成長させようと考えている企業経営者も沢山おられます。こうした風土を持つ道内企業の経営が、専門家との戦略的協働によって、よりしっかりとし、活力にあふれることによって、北海道全体の活性化を実現することが私共の目的です。



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