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スコブルvol.36より

不安なときこそ、“変わらない日常”を大切にした暮らしを

コロナ禍の自粛生活でも楽しみながら過ごすことが大事

 世界中に広がった新型コロナウイルスは、私たちの生活を大きく変えました。札幌は国内でも早い時期から感染者が出て、5月には市内の高齢者施設でクラスターが発生。サ高住(サービス付き高齢者住宅)や有料老人ホームなど、介護事業全体が対策を迫られました。サ高住の「フルールハウス」でも、4月中旬から6月いっぱいまで、入居者に家族を含む面会や外出を控えていただきました。館内では食事テーブルを1卓増やし、それまでの4人ずつから3人ずつの利用で向かい合わせにならないよう変更。手洗いを徹底し、手すりやスイッチ、ドアノブなどの消毒も毎朝欠かさず行っています。
 このように、高齢者施設での自粛生活は不自由で息が詰まるように思うかもしれません。しかし、実際にはそうではありませんでした。私たちスタッフが心掛けたのは、入居者にいつも通りの生活をしてもらうことです。感染予防はきちんと行ったうえで、普段していたことを変えないようにしました。たとえば、週5日のラジオ体操や畑仕事などです。フルールハウスが所有している畑では、例年通り豆やキュウリの収穫を楽しみました。裁縫好きの人はマスクをたくさん手作りし、みんなに喜ばれていました。
 入居者が不自由をそれほど感じずに自粛期間を生き生きと過ごせたのは、それぞれやりたいことを楽しめる場があること、そして、入居者同士のつながりもあることが大きいと思います。私はヘルパーとして個人宅への訪問介護も行っていますが、今は、お世話より話し相手を求めている印象を受けます。誰かに話すことでコロナ禍の不安を解消したいのでしょう。その点、集団生活は横のつながりのおかげで不安が少ないと言えます。それも、自分にとって心地よい距離感で関わり合えることが大切です。
 フルールハウスでは、なんでも自粛するのではなく、みんなで笑って暮らすことで免疫力を高め、“変わらない日常”を続けていくこともコロナ対策のひとつと考えています。現在、見学も受付中(予約制)。詳しくはお電話でお問い合わせください。ホームページでは館内のヴァーチャル見学もできます。ご興味がありましたら、ご覧ください。

川原田 英恵
(かわはらだ はなえ)
グループホームに約8年勤務し、認知症の方々の介護にあたる。2012年サービス付き高齢者向け住宅「フルールハウス」開設。取締役・介護福祉士
サービス付き高齢者向け住宅
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